11月10日
ICU図書館、つまりオスマー図書館で「情報管理」という雑誌を発見した。
この雑誌は、図書館を記事の中心におく他の図書館雑誌とは一線を画し、図書館に端を発する情報の扱い方をいかに現代にあったものにしていくかを模索していく、挑戦的な雑誌である。
独立行政法人 科学技術振興機構 が提供している。
11月号を読んで衝撃を受けた。
なんと先進的な事を試みているのか、と。しかし、そう思うのは図書館に対して失礼というものである。
みなさんも、図書館学を一度でいいので受講してみてほしい。かれらの情報にたいするアグレッシブさには目を見張るものがある。そして、彼らのそれらの業績に対するプライドもそれを十分に立証するものである、と私は思う。
図書館のレファレンスサービスを一度使ってほしい。
「レファレンスサービスとはなにをしてくれるところなんですか?」という質問から始めてもらって構わない。
このような、質問に答えることもレファレンスサービスの立派な業務なのだ。
彼らは情報を扱っている。
利用者が、どんなものであれ情報を求める場合、それは彼らの業務の本質なのだ。
大学図書館、公立図書館、私立図書館で程度の差こそあるかもしれないが、基本的には変わらない。
大学図書館に至っては、かなり専門的な情報の居場所を質問しても、そのソースをもってきてくれる。もしくは、その情報がないことを証明してくれる。
古来から図書館は情報のハブ地であり、市民の啓蒙の拠点だった。
電子化が進む現代、図書館は時代の流れに置いていかれているのであろうか?
いや、違うのである。
逆に先進的なことをしているのが図書館である。
皆さんは、図書館=本=電子化に乗り遅れる
というイメージをお持ちかもしれないが、それは今日をもって捨ててほしい。
いままでが
図書館=情報=本
という形態だったにすぎないのであり、図書館は常に情報を中心に置いた活動を心がけているのである。かれらの、電子化に対するフロンティア精神は目を見張るものがあり、尊敬の念すら抱く。かのアマゾンでさえ、実は図書館界が発明した図書検索システムを利用しているのだから、彼らの先進性は侮ってはいけない。むしろ、学ぶべきものが大いにあるのだ。
本が電子化を恐れているというイメージがどこから来るのか。少なくとも図書館ではない。
図書館は積極的に電子化に対応しようとしている。彼らに守るべき利権はない。彼らが守りたいのは古来からの役割であり、それを成し続けてきたというプライドである。
恐れながら言わせていただくと、図書館はここ何年か、市民の啓蒙の場として第一線から退いていたかもしれない。
なぜなら、新聞やテレビがマスメディアとして成長し市民に対する情報の流れを一手に持って行ってしまったからである。本屋もそうかもしれない。
しかし、電子化、電子書籍化の時代は図書館に再び光を灯す。
それを、彼らもわかっているのだろうか。何度も述べるが彼らの電子化に対するフロンティア精神は見上げたものがある。
本の電子化に対して恐れているのはどこだろうか。
図書館ではない。本そのものでもない。
おそらく、出版社であり、テレビであり、新聞である。
本そのものにとって、電子化は情報本来の形に近付くことであり望ましいことだ。
これはそのまま、図書館にも言える。
図書館は、情報そのものを扱う事を生業にしている。図書館は利用者を情報に導くことを生業にしている。出版社やテレビや新聞は、導くのではなく情報を押し売るのである。この違いが、本の電子化、文章の電子化、情報の電子化におけるスタンスの違いを表しているのでないだろうか。
電子化により、情報全体へのアクセス可能性が一気に増大する時代がやってくる。
この時勢になって、ついに再び図書館に焦点が当たるのである。
人々は情報の大海の中で迷える子羊のように泣き声を上げるだろう。
そこで、松明を掲げ人々を求める情報へといざなうのが図書館であり、優秀な司書達なのである。
このようにいうと、古めかしいマントを着た人が導いてくれるようなイメージがわくが実際はそうではない。
最近の優秀な司書とは、電子端末を手足のごとく使いこなし、インターネットの荒波も軽々と手なずけ、webの深みへと一瞬でたどり着けるサイバー強者なのである。
雑誌、「情報管理」は図書、図書館に関わる現代の歩みが載せている月刊誌である。
レファレンスサービスセンターにいって、質問できないような方は一度購読してみたらどうだろうか。
もちろん、「情報管理」は電子書籍化されているので internet上でダウンロード購読も可能だ。
と、おもって検索したところなんと、インターネット上では無料で読めることが判明した。
(リンクはこちらhttp://johokanri.jp/)
恐るべし、です。
みなさん、是非一度図書館業界、図書業界が今どの様な方向に進んでいるのかを読んでみてはいかがでしょうか?
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